2020年4月24日更新
毎年猛暑が続くようになって熱中症や脱水症状も身近になってきました。さくらも毎年夏になると、暑過ぎて倒れるんじゃないかと感じることが何回かあります。
そんな熱中症や脱水症状の兆候に手足の冷えがあるそうなんです。夏は気温が高いので、手足が冷たいのは腑に落ちないような気がしますが、この手足の冷えという兆候を見逃さずに対処しなければなりません。
毎年熱中症や脱水症状で倒れる人がいますので、他人事ではありませんよね。きちんと知っておいてほしいと思います。
ということで今回は、
「脱水症状の兆候で手足が冷たいのはなぜ?」
「熱中症・脱水症状を予防しよう!」
「熱中症・脱水症状になった時の対処法」
を中心にまとめてみたいと思います。
1.脱水症状の兆候で手足が冷たいのはなぜ?
脱水症状は知らない間に起きてしまっていることがよくあります。特に子供、お年寄りは喉が渇いたと気づく頃には脱水が進んでいることがあります。
自分で気がつかない間に脱水症状が起きている状態を「隠れ脱水症」と呼びます。隠れ脱水症になっているのに気づかないでいると、突然、ひどい脱水症状や熱中症で倒れることもあります。とても危険ですね。
隠れ脱水症にならないよう脱水症状の兆候を知っておいてチェックしましょう。
1)手足が冷たい
脱水症状がおきているとき、体内の水分が足りないため血流が悪くなります。そのため手足などの末端まで血液が行き届かなくなり、手足が冷たくなります。気温は高いのに手足が冷たい場合、脱水が起きている可能性があります。
2)爪を押すと色が戻らない
手足が冷たい理由と同じで、指先にも血液が行き届かなくなります。指の爪を強く押してみて、2秒たっても白いまま色味が戻らない場合、脱水症状の兆候の可能性があります。
3)口が渇く、ツバが出ない
これはわかりやすい兆候だと思います。脱水症状になると水分が不足するので、口の中の水分、唾液の水分もなくなっていきます。
4)皮膚をつねると元に戻らない
皮膚の水分がなくなり、つねった時に元に戻りにくくなります。腕の皮膚をつねってみて、3秒以内に皮膚が元に戻らなければ脱水症状の兆候と考えられます。
5)めまい・立ちくらみ
血流が悪くなり脳へ血液が行き届かなくなるため、めまいや立ちくらみが起き、転倒してしまうこともあります。
6)心拍数の増加・不整脈・頻脈
水分が足りなくなってドロドロになった血液を心臓が無理矢理送ろうとして、心拍数が増え、1分間に100回以上脈を打つ頻脈になります。また、血液がドロドロになっているため、不整脈が起こることもあります。
7)足がつる・こむら返り・しびれ
脱水症状になると、水分と塩分が両方不足することがあり、塩分が不足すると筋肉が正常に動かなくなり、足がつったり、こむら返りを起こしたり、体がしびれることがあります。
8)尿の色が濃い
水分が足りなくなると尿として排出される水分が減らされるため、尿の色が濃くなります。
このように、脱水症状が起きると、体に兆候がでます。隠れ脱水症の段階では、喉が渇いた感覚がなく気がつかないこともあります。暑い部屋で過ごす時、真夏に外出する時、もしくは子供やお年寄りが脱水症状を起こしていないかチェックする時に、これらの兆候に気をつけてくださいね。
2.熱中症・脱水症状を予防しよう!
脱水症状の兆候がわかったところで、次はどうやって予防するかです。その前に、熱中症と脱水症状の違いを説明します。
熱中症は、体温を下げるために汗をかこうとしますが汗が出ず、どんどん体温が上がってしまう症状のことです。重症化すると命を落とすこともある危険な症状です。
そして、脱水症状は、そんな熱中症の初期症状です。つまり、脱水症状の兆候に気づいて、脱水症状が進まないようにすることができれば、熱中症を予防することができます。大切なのは、脱水症状を起こさないようにすること!と、脱水症状の兆候に気づくこと!の二点です。
脱水症状の兆候についてはすでにお伝えしたので、脱水症状を起こさないことに焦点を絞りたいと思います。
脱水症状を起こさないためには、「体に十分な水分と電解質(ミネラルが体液で溶けたもの)を与えておくこと」です。具体的には、汗をかく時は、その1時間ほど前に300ML程のスポーツドリンクを飲んでおく。汗をかく前は普通の水でも構いませんが、スポーツドリンクが一番吸収がいいので、汗をかいた時にはスポーツドリンクや水と塩を摂るのが最適です。
そして、汗をかいている時は、20~30分に一回ほどのペースで水分補給を続けることです。人間の体の大部分は水分でできているため、水分がたった2%不足しただけで異常が出始め、4%不足すると深刻な状態になりますので、気をつけましょう。
また、普段から健康的な食生活を心がけて、カリウム、カルシウム、ナトリウムなどのミネラルを摂取しておくことも大切です。また、予防効果の高い栄養素は、たんぱく質です。豆腐などの大豆食品、ささみを中心とした鶏肉、卵、牛乳などでしっかりたんぱく質を摂取してください。
たんぱく質が不足していると、いくら水分を摂っても血管から漏れてしまうそうなんです。たんぱく質をしっかり摂っておくと、水分が血管内に留まり、脱水症状が治りやすいだけでなく、汗もかきやすく脱水になりにくい体になるそうです。
こうして、日頃から脱水症状にならないよう意識を高めることと、脱水症状の兆候を見逃さないよう自分の体に対する感覚を研ぎ澄ませておくことが、脱水症状と熱中症の予防に大切だと言えます。
3.熱中症・脱水症状になった時の対処法
脱水症状になった場合、水分と電解質を含んだ「経口補水液(けいこうほすいえき)」の補給が必要です。水やお茶では電解質が足りないため、脱水症状を完全に治すことができません。経口補水液はコンビニやドラッグストアで売られていますが、自分で作ることもできます。
<材料>
水:1リットル
塩:小さじ1/2(3グラム)
砂糖:大さじ4と1/2(40グラム)
これらの材料をしっかり溶けるまで混ぜ合わせれば完成です。飲みにくい場合、レモン汁を入れると飲みやすくなります。
経口補水液を飲む場合、一気に飲まず、30分ごとにコップ1杯を目安にゆっくりと飲んでください。日持ちがしないので、その日中に飲んでください。
水分と電解質を補給したら、涼しい場所で衣類をゆるめ、楽な姿勢で休んでください。この時、脇の下など大きな血管が通っている場所を保冷剤や氷で冷やすのもオススメです。
4.最後に
今回は毎年夏になると増える熱中症・脱水症状についてまとめてみました。体が熱くなっているのに手足が冷たくなるとは思わなかったです。でもこうした兆候を知っているのといないのとでは大違いです。
暑い夏の間は特に自分の体の調子に耳を傾け、おかしいなと感じたらすぐに水分補給をしてくださいね。