精油

ミントの精油を作っちゃおう♪意外に簡単な作り方☆他のアロマにも!

2020年4月27日更新

ミントはものすごい増殖力の高いハーブです。なのでガーデニングで育てると大量に育ちます。そんなミントで精油を作ってみませんか?!

精油の作り方はいくつかあり、ハーブの種類によって作り方が違います。そんな精油の作り方色々と、気になるミントの効果効能、そして自宅で簡単にミントの精油を作る方法をご紹介したいと思います。

この記事でわかること...

「精油(アロマオイル)の抽出方法」

「ミントの精油の種類と効果・効能」

「自宅で簡単にミント精油の作り方」

1.精油(アロマオイル)の抽出方法

そもそも精油ってどうやって作られているの?どのような作り方があるんでしょうか?精油はとても濃厚な植物のエッセンスが凝縮されたものなので、取り出すのも大変かなと思います。また、ハーブ系、柑橘系、樹木系、フローラル系、樹脂系と種類が色々あるので、それぞれ違った抽出方法で取り出さなければいけません。実は、精油には5つの抽出方法があります。

1)水蒸気蒸留法

出展:アロマ@癒し生活

精油の抽出方法の中で一番ポピュラーなのが、この水蒸気蒸留法です。歴史も一番古く、何と10世紀頃からすでにこの方法が使われていたと言われています。

水蒸気蒸留法での精油の作り方は、まず原料となる植物や柑橘類の皮を蒸留釜に入れます。下から蒸気をあてて蒸します。そうすると蒸気の熱で植物に含まれるエッセンスが気化し、水蒸気と一緒に立ち上っていきます。これを管で瓶の中に集めて冷却水で冷やします。

そうすると蒸気が液体に戻ります。すると、液体には水分と油分が含まれているので二層に分かれます。この植物エッセンスを含んだ水分がフローラルウォーター(芳香蒸留水)で、油分が精油(アロマオイル)というわけです。この油分をうまく取り出せば精油の完成です。

この水蒸気蒸留法では熱と水を使うので、熱と水に反応して壊れてしまうような繊細な成分を含む精油はこの方法では作ることができません。

2)溶剤抽出法

アルコールなどの有機溶剤に原料の植物を漬けて精油を抽出する方法です。水蒸気蒸留法では成分が壊れてしまうようなデリケートな植物に使われる方法です。この作り方は、ローズ、ジャスミン、ネロリなどのハーブから精油を抽出する時に使われます。

この方法での精油の作り方は、まず揮発性物質に植物を漬けて揮発させます。そうするとコンクリートと呼ばれるクリーム状の固体が残します。そこにエタノールを加え、精油を分離させ、エタノールを揮発させれば精油の完成です。

この方法で取り出された精油はアブソリュートと呼ばれます。アブソリュートは熱や水によって成分が損なわれていないため、とても美しい香りがしますが、溶剤抽出法のデメリットとしては、微量の有機溶剤が残ってしまう可能性があることです。

3)圧搾法

レモン、オレンジ、グレープフルーツ、マンダリン、ベルガモット、ゆずなどの柑橘系の果皮から精油を抽出する場合、圧搾法が使われます。圧搾法での精油の作り方は、柑橘類の皮を押しつぶしてオイルを絞り取ります。手で皮を潰すと汁が出てきますよね。あれが精油そのもので、圧搾法を使って取り出すというわけです。

最近では遠心力を利用した機械やローラーなどの機械を使って取り出す場合もあるようです。圧縮法は熱を加えないため、デリケートな成分を守ったままフレッシュな香りを抽出できます。

4)油脂吸着法

溶剤抽出法が一般的になる前に、ジャスミンなどの熱や水で壊れてしまうデリケートな植物から精油を抽出するために使われていた方法です。油脂吸着法での精油の作り方は、ラード(豚脂)やヘット(牛脂)などの動物の脂を塗ったガラスの上に原料の植物を並べます。

しばらく置いておくと香り成分が脂に移ります。香りが移ったら新しい植物と交換します。これを何度も繰り返すと香り成分が充分に含まれたポマードという脂ができます。この脂にエタノールに混ぜて、香り成分をエタノールに移したあとエタノールを揮発させれば、精油が抽出できます。

この残った精油は溶剤抽出法で取り出された精油と同じく、アブソリュートと呼ばれています。油脂吸着法には、常温の脂を使うアンフルラージュ法(冷浸法)と60~70℃に熱した脂を使うマセレーション法(温浸法)があります。

この作り方はとても手間と時間とお金がかかることから、溶剤抽出法が普及すると現在では使われなくなってしまいました。

5)超臨界抽出法(液化二酸化炭素抽出法・CO2蒸留法)

1970年代に開発された精油の抽出方法です。超臨界抽出法での精油の作り方は、二酸化炭素のように圧力をかけると液体になる気体を使用します。二酸化炭素を使う場合、液化二酸化炭素抽出法やCO2蒸留法とも呼ばれます。

期待に超圧力をかけ、気体と液体の間の超臨界状態を作ります。この超臨界状態では気体と液体の中間の流体状態になり、気体と液体の両方の性質を持つため植物によく浸透しアロマエッセンスを吸着しやすくなります。

その後、圧力を弱め気体に戻すと精油の成分だけ残すことができます。熱や水を使わないため、植物そのもののエッセンスを取り出すことができるのがメリットですが、大掛かりな設備を必要としコストがかかるため、あまり普及していません。

以上、5つの抽出方法をご紹介しました。それぞれの作り方に、メリット・デメリットがあることがわかっていただけたと思います。現在流通している精油のほとんどは、1)水蒸気蒸留法、2)溶剤抽出法、3)圧搾法で抽出されたものです。

では、次はミントです。

2.ミントの精油の種類と効果・効能

ミント系精油の種類

ミントには何と数百種類もあるんです!そんなにもあるんですね~その中で有名で手に入りやすいミントの種類をご紹介します。

ペパーミント

ペパーミントはヨーロッパが原産で、スペアミントとウォーターミントから生まれたミントです。スーッとするメントールの含有料が多いのが特徴で、清涼感と香りが強いです。

胡椒=ペッパーくらい強い刺激があるということからペパーミントと名づけられたそうです。

スペアミント

地中海沿岸が原産で、日本でも自生しているそうです。ペパーミントより刺激が穏やかで、芳香成分が多く含まれているのが特徴です。生のスペアミントを使ってハーブティーや料理・お菓子に利用されます。

ハッカ(薄荷)

ミントの和名がハッカですが、植物を指してハッカと言うと、日本で自生している和種のハッカのことになります。ニホンハッカ、Japanese Mintとも呼ばれています。

ペパーミントと近縁種でメントール成分がペパーミントよりも多いので、香りも刺激もとても強いのが特徴っです。

アップルミント

ウーリーミントとも呼ばれ、その名の通り、ミントの香りの中にりんごの香りがまざったような香りがします。口唇ヘルペスに効果があるので、患部にアップルミントを塗ると早く治ります。

以上が有名なミントの種類ですが、この他にレモンミント、パイナップルミント、グレープフルーツミント、バナナミント、ジンジャーミント、ボウルズミント、オーデコロンミントなどなどあります。

ミント精油の効果・効能

1)消化促進作用

ミントには胃腸の働きを良くする効能があります。ミントの精油で芳香浴をしてもいいですし、ミントのハーブティを飲んでも効果があります。

食べ過ぎて胃がもたれた時、飲み過ぎて胃の調子が悪い時、消化を促進してくれますので、ミントを使ってみてください。また、消化不良、胸やけ、吐き気、胃痛、腹痛、胃けいれんなどの胃腸の不調を緩和してくれます。

2)眠気覚まし

ミントの独特のあの香りは脳の働きを良くしてくれます。あのフレッシュな香りを嗅ぐと目が覚めるという方も多いんじゃないでしょうか。実際にイギリスの実験では、ペパーミントの精油で芳香浴をすると昼間の眠気が解消されてというデータもあります。

爽やかな香りで何となく気分がリフレッシュするのかと思っていましたが、科学的にもミントの眠気覚まし効果は実証されているようです。

3)頭痛緩和作用

ミントの効能には、頭痛の痛みと頭痛によっておこるむかつきを緩和する働きがあります。頭痛持ちの人はミントとラベンダーの精油をキャリアオイルで希釈し、こめかみや頭皮、首の後ろにつけてください。血行がよくなって頭痛が楽になりますよ。

4)乗り物酔い予防・改善

ミントには乗り物酔いによる吐き気を防いだり、吐き気を緩和してくれる効能もあります。乗り物に酔いやすい人は、ミントの精油をハンカチやタオルに数滴垂らして持参したり、ミントでサシェ(匂い袋)を作って持っていくといいと思います。

5)安眠作用

安眠効果のある精油で一番有名なのはラベンダーですが、実はミントに含まれるメントールにも深い眠りに入りやすくしてくれるという効能があります。

ただ、ペパーミントは香りの刺激が強いため、逆に目が冴えてしまう人もいると思います。そういう場合、ラベンダーや他の精油とブレンドしたり、メントール成分の少なめのスペアミントを使ってみるのもいいかもしれません。

6)花粉症・アレルギー緩和作用

ペパーミントに多く含まれるメントールには抗アレルギー作用、抗炎症作用があります。アレルギー反応の原因と言われているヒスタミンの分泌を抑制してくれるんです。この抗ヒスタミンの作用によって、花粉症などのアレルギーを緩和してくれます。また、鼻づまりや鼻水、風邪の症状の鼻炎にも効果があります。

同じく抗炎症作用や抗アレルギー作用があるユーカリやティーツリーの精油とブレンドすると相乗効果でさらに効能が強くなりますよ。

7)精神安定作用

ミントには心を落ち着けて緊張を和らげてくれる効能があります。緊張している時にガムを噛むと緊張がほぐれるという実験結果がありますが、ミントが入っているものなら、もっといいと思います。

また、やる気が出なくて無気力になっている時、気分が落ち込む抗うつ状態の時にもミントは気持ちを安定させてくれる効能があります。神経症などの治療に使われることもあるそうです。憂鬱な気分もミントの香りを嗅げばシャキッとしそうですよね。

8)リラックス効果

ミントにはイライラを鎮めてリラックスさせてくれる効能もあります。嫌なことがあって気持ちがささくれ立っている時には、ミントの精油を湯船に数滴垂らしてアロマバスをしてみましょう。心が軽くなってリラックスできると思いますよ。

9)虫除け効果

ミントのあのスッとした清涼感のある香りは虫が嫌いな香りなんです。メントールが配合された虫除けが市販されているほどです。そのため、蚊やゴキブリなどの害虫に対して虫除け・防虫の効能があります。

市販の虫除けは体に悪い化学成分が含まれているため使いたくないという人もミントの精油を使えば天然素材で虫除けを作ることができます。子どもやペットにも安心して使えますね。しかも材料もそんなに入らないですし、コストパフォーマンスもいいですよ。

しかもしかも!ミントの抗炎症作用、冷却作用、軽い麻酔作用のおかげで肌のかゆみを抑えてくれるため、虫刺されにつけても効果的なんです。虫除けにも虫刺されにも効果があるなんて、便利ですね。アウトドアで活動する際は、ミントのアロマスプレーがあると活躍してくれそうですね。

3.自宅で簡単にミント精油の作り方

自宅で気軽にミント精油を作る方法です♪

水蒸気蒸留法

精油の作り方で紹介した水蒸気蒸留法を使って自宅で精油やフローラルウォーターを作ることができます!市販の蒸留器を使って抽出する方法と自宅にあるもので代用する方法をご紹介します。

<市販の蒸留器>

お値段が少々お高いですが、一度買ってしまえば、自宅で大量に精油とフローラルウォーターを蒸留することができるので、アロマテラピーを頻繁に行いたい方にはいいかもしれません。また、購入をためらう場合、レンタルもあるようなので、お試してで使ってみるのもいいかもしれません。

他にも、もっと大型の蒸留器や業務量蒸留器も販売されていますので、精油やフローラルウォーターを販売用に作りたい方には大型のものがおすすめです。

<自宅にあるもので蒸留する方法>

市販の蒸留器を見てもらえばわかる通り、基本的に耐熱瓶や鍋のように加熱するパーツと、冷却用のパーツ、それをつなぐチューブがあればお手製蒸留器を作ることができます。

準備するものがいろいろとありますが、市販の蒸留器を買うより断然お得ですし、一度道具を揃えてしまえば何度も作ることができるのでアロマテラピーが趣味の方は是非試してみてください。

<準備するもの>

・耐熱ガラス瓶

-ワインなどお酒の瓶や、哺乳瓶など耐熱性に優れた瓶がおすすめ

・冷却水を入れるための大きい入れ物

-鍋やバケツなど

・鍋

-ホームセンターで売られている安価なものでOK

・蒸し板

-百円ショップで購入可能

・鍋蓋

-百円ショップで購入可能

・口金

-お菓子を作る時に使うので製菓用品を扱うお店に行けば手に入ります。

・シリコンチューブ

-100℃の水蒸気が通るため耐熱性のシリコンチューブが必要です。口金に連結ができるサイズのものをホームセンターで買ってください。

・アルミテープ

・ミント

・重し

<作り方>

1)鍋に蒸し板を入れ、空焚きしないよう蒸し板のすぐ下まで水を入れます。

2)蒸し板の上にミントを入れます。

3)冷却水をガラス瓶が十分漬かるまで入れます。ガラス瓶が浮かないよう重しをつけます。

4)鍋蓋に口金とシリコンチューブをつけアルミテープで隙間がないように留めます。隙間があると蒸気が漏れてしまうので注意してください。

5)チューブの先をガラス瓶に入れて準備完了、鍋を火にかけます。

6)ガラス瓶に蒸留水が溜まったら完成です。

いかがでしたか?器具を準備してしまえば、作り方は難しくはないし、それほど費用もかからず、自分でもできそうな感じですよね。熱い蒸気が出てくるため、火傷には気をつけてください。

ただ、ミントの量が少ないとフローラルウォーターは取れますが、精油は取れないそうです。精油を作るためには1キロ程度のミントが必要です。

動画も参考にどうぞ。

水蒸気蒸留法の説明

ローズマリーを水蒸気蒸留法で抽出する方法

無水エタノールで抽出する作り方

精油とは少し違うのですが、ミントチンキを無水エタノールで作ることができます!

<準備するもの>

・ミント

・無水エタノール

-薬局で千円程度で売られています。消毒用エタノールとは違いほぼ水分が含まれていないエタノールです。

・ふたのついたガラス瓶

-ジャムなどの入っていた瓶でもいいですし、百円ショップでも売られています。ミントの色が移る可能性があるので不要な瓶を使ってください。

・濾し器(こし)

-お茶をこすのに使うものでOK

・保存容器

<作り方>

1)ミントを水洗いしよく乾かし、包丁で細かく刻むか手でちぎっておく

2)煮沸消毒したガラス瓶の中にミントの葉を入れられるだけ入れる。

3)ミントの葉が全てつかるように無水エタノールをそそぐ

4)ガラス瓶のふたをしっかりとしめて、冷暗所(冷蔵庫でもOK)に2~6週間ほど保存する

5)2~6週間経過後、保存容器に越し器でこしてガラス瓶の中身を移す

これで完成です!ミントのグリーンが鮮やかなミントチンキができます。置いておく期間は、最低2週間程度で、ミントの成分をより抽出したい場合は長めに置いてください。途中で瓶を振ると中身がまんべんなく混ざるので、たまに振ってあげてください。

ミントチンキは、ルームスプレーとして使ったり、湯船に入れてアロマバスを楽しんだり、アロマポットやアロマスティック、アロマストーンなどのアロマディフューザーを使って芳香浴をすることもできます。精油を作るよりも簡単に作れる上に、ミントの精油と同じような使い方ができるので、とってもおすすめです!

また、この無水エタノールを使った作り方は他の植物でも応用できます。レモンやオレンジなどの柑橘類の皮を使ったり、ゼラニウムやローズマリーなどでも作ることができます。色々なもので試してみるのも楽しそうですね。

キャリアオイルを使った作り方

この作り方では、精油ではなくハーブオイルと呼ばれるものができます。スキンケアやアロママッサージ、手作り石鹸、軟膏などに使うことができます。

<準備するもの>

・キャリアオイル

-ホホバオイル、オリーブオイル、グレープシードオイルなど自分の肌に合うお好みのキャリアオイル

・ふたつきガラス瓶

・ミント

・濾し器

-ミントを取り除くのに使います

<作り方>

1)ミントの葉を水洗いしよく乾かし、細かく包丁で刻むか手でちぎっておく

2)煮沸消毒したガラス瓶にミントとキャリアオイルを入れて混ぜ、湯せんにかける

3)弱火で1時間ほど湯せんにかける

4)火を止めてそのまま2~3時間置いておく

5)ガラス瓶にふたをして常温で数日置いておく

6)キャリアオイルにミントの香りが移ったらミントを取り除く

これで完成です!火傷には気をつけてくださいね。

キャリアオイルとミントを湯せんするのではなく、鍋に直接キャリアオイルとミントを入れて1~2時間火にかける作り方もあります。その場合、2)3)4)の工程が違いますが、あとは同じです。

ミントの精油とは違いますが、キャリアオイルには美容効果が高いものが色々ありますので、お好みのキャリアオイルを使うことで自分にぴったりのスキンケアオイルを作ることができます。

この作り方もミントを他の植物に代えることで色々なハーブオイルを作ることができます。

キャリアオイルの選び方はこちらを参照にしてください↓

いかがでしたか??水蒸気蒸留法で本格的なミント精油を作るもよし、簡単なミントチンキやミントオイルを作るもよし、お好みで試してみてくださいね。

4.最後に

今回は、精油の抽出方法とミントの精油の作り方を中心にご紹介しました。ミントはどんどん増えて成長がすさまじいですが、冬には枯れてしまうので、使い切れない人も多いんじゃないかと思います。

そんな方は是非ミントを使って精油やチンキ・ハーブオイルを作ってみてくださいね♪

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