アロマ大好きなさくらです。さくらは市販の精油を使っていますが、家でハーブを育てている人なら自分で精油が作れたらと思うこともあるんじゃないかと思います。
精油(アロマオイル)の抽出方法にはいくつか種類があり、その中には蒸留してアロマオイルを抽出する作り方もあります。アロマオイルの作り方には違いがあり、原料となるハーブ(植物)の種類によって適した抽出方法で作られているんですよ。
調べてみると自宅でも案外簡単に精油やフローラルウォーターを作ることができるようです。でもどうやってやるんでしょうか?本当に家でもできる??
ということで今回は、
「精油(アロマオイル)の抽出方法」
「ハーブを使った製油の作り方」
を中心にまとめてみたいと思います。
1.精油(アロマオイル)の抽出方法
そもそも精油ってどうやって作られているの?どのような作り方があるんでしょうか?アロマオイルはとても濃厚な植物(ハーブ)のエッセンスが凝縮されたものなので、取り出すのも大変かなと思います。また、ハーブ系、柑橘系、樹木系、フローラル系、樹脂系と種類が色々あるので、それぞれ違った抽出方法で取り出さなければいけません。実は、精油には5つの抽出方法があります。
1)水蒸気蒸留法
出展:アロマ@癒し生活
精油の抽出方法の中で一番ポピュラーなのが、この水蒸気蒸留法です。歴史も一番古く、何と10世紀頃からすでにこの方法が使われていたと言われています。
水蒸気蒸留法での精油の作り方は、まず原料となるハーブや果物の皮を蒸留釜に入れます。下から蒸気をあてて蒸します。そうすると蒸気の熱でハーブに含まれるエッセンスが気化し、水蒸気と一緒に立ち上っていきます。これを管で瓶の中に集めて冷却水で冷やします。
そうすると蒸気が液体に戻ります。すると、液体には水分と油分が含まれているので二層に分かれます。このハーブ(植物)エッセンスを含んだ水分がフローラルウォーター(芳香蒸留水)で、油分が精油(アロマオイル)というわけです。この油分をうまく取り出せばアロマオイルの完成です。
この水蒸気蒸留法では熱と水を使うので、熱と水に反応して壊れてしまうような繊細な成分を含むアロマオイルはこの方法では作ることができません。
2)溶剤抽出法
アルコールなどの有機溶剤に原料のハーブを漬けて精油を抽出する方法です。水蒸気蒸留法では成分が壊れてしまうようなデリケートなハーブに使われる方法です。この作り方は、ローズ、ジャスミン、ネロリなどのハーブから精油を抽出する時に使われます。
この方法での精油の作り方は、まず揮発性物質にハーブを漬けて揮発させます。そうするとコンクリートと呼ばれるクリーム状の固体が残します。そこにエタノールを加え、精油を分離させ、エタノールを揮発させれば精油の完成です。
この方法で取り出された精油はアブソリュートと呼ばれます。アブソリュートは熱や水によって成分が損なわれていないため、とても美しい香りがしますが、溶剤抽出法のデメリットとしては、微量の有機溶剤が残ってしまう可能性があることです。
3)圧搾法
レモン、オレンジ、グレープフルーツ、マンダリン、ベルガモット、ゆずなどの柑橘系の果皮から精油を抽出する場合、圧搾法が使われます。圧搾法での精油の作り方は、果実の皮を押しつぶしてオイルを絞り取ります。手で皮を潰すと汁が出てきますよね。あれが精油そのもので、圧搾法を使って取り出すというわけです。
最近では遠心力を利用した機械やローラーなどの機械を使って取り出す場合もあるようです。圧縮法は熱を加えないため、デリケートな成分を守ったままフレッシュな香りを抽出できます。
4)油脂吸着法
溶剤抽出法が一般的になる前に、ジャスミンなどの熱や水で壊れてしまうデリケートなハーブからアロマオイルを抽出するために使われていた方法です。油脂吸着法での精油の作り方は、ラード(豚脂)やヘット(牛脂)などの動物の脂を塗ったガラスの上に原料のハーブを並べます。
しばらく置いておくと香り成分が脂に移ります。香りが移ったら新しいハーブと交換します。これを何度も繰り返すと香り成分が充分に含まれたポマードという脂ができます。この脂にエタノールに混ぜて、香り成分をエタノールに移したあとエタノールを揮発させれば、精油が抽出できます。
この残った精油は溶剤抽出法で取り出された精油と同じく、アブソリュートと呼ばれています。油脂吸着法には、常温の脂を使うアンフルラージュ法(冷浸法)と60~70℃に熱した脂を使うマセレーション法(温浸法)があります。
この作り方はとても手間と時間とお金がかかることから、溶剤抽出法が普及すると現在では使われなくなってしまいました。
5)超臨界抽出法(液化二酸化炭素抽出法・CO2蒸留法)
1970年代に開発された精油の抽出方法です。超臨界抽出法での精油の作り方は、二酸化炭素のように圧力をかけると液体になる気体を使用します。二酸化炭素を使う場合、液化二酸化炭素抽出法やCO2蒸留法とも呼ばれます。
期待に超圧力をかけ、気体と液体の間の超臨界状態を作ります。この超臨界状態では気体と液体の中間の流体状態になり、気体と液体の両方の性質を持つためハーブによく浸透しアロマエッセンスを吸着しやすくなります。
その後、圧力を弱め気体に戻すと精油の成分だけ残すことができます。熱や水を使わないため、ハーブそのもののエッセンスを取り出すことができるのがメリットですが、大掛かりな設備を必要としコストがかかるため、あまり普及していません。
以上、5つの抽出方法をご紹介しました。それぞれの作り方に、メリット・デメリットがあることがわかっていただけたと思います。現在流通している精油のほとんどは、1)水蒸気蒸留法、2)溶剤抽出法、3)圧搾法で抽出されたものです。
では、次は自分でハーブを使って精油を作る方法です。
2.ハーブを使った製油の作り方
自分でハーブを使って精油(アロマオイル)やフローラルウィーターを作るには先程紹介した精油の抽出方法の一つ「水蒸気蒸留法」を使います。
水蒸気蒸留法を使って自宅で精油やフローラルウォーターを作る方法です!市販の蒸留器を使って抽出する方法と自宅にあるもので代用する方法をご紹介します。
<市販の蒸留器>
・ピュアスティーラーライト(70,000円)
・ピュアスティーラーHC/S(135,000円)
・蒸留器ピュアスティーラー ミニ(88,000円)
お値段が少々お高いですが、一度買ってしまえば、自宅で大量に精油とフローラルウォーターを蒸留することができるので、アロマテラピーを頻繁に行いたい方にはいいかもしれません。また、購入をためらう場合、レンタルもあるようなので、お試してで使ってみるのもいいかもしれません。
他にも、もっと大型の蒸留器や業務量蒸留器も販売されていますので、農園をお持ちで精油やフローラルウォーターを販売用に作りたい方には大型のものがおすすめです。
<自宅にあるもので蒸留する方法>
市販の蒸留器を見てもらえばわかる通り、基本的に耐熱瓶や鍋のように加熱するパーツと、冷却用のパーツ、それをつなぐチューブがあればお手製蒸留器を作ることができます。
準備するものがいろいろとありますが、市販の蒸留器を買うより断然お得ですし、一度道具を揃えてしまえば何度も作ることができるのでアロマテラピーが趣味の方は是非試してみてください。
<準備するもの>
・耐熱ガラス瓶
-ワインなどお酒の瓶や、哺乳瓶など耐熱性に優れた瓶がおすすめ
・冷却水を入れるための大きい入れ物
-鍋やバケツなど
・鍋
-ホームセンターで売られている安価なものでOK
・蒸し板
-百円ショップで購入可能
・鍋蓋
-百円ショップで購入可能
・口金
-お菓子を作る時に使うので製菓用品を扱うお店に行けば手に入ります。
・シリコンチューブ
-100℃の水蒸気が通るため耐熱性のシリコンチューブが必要です。口金に連結ができるサイズのものをホームセンターで買ってください。
・アルミテープ
・原料となるハーブ
・重し
<作り方>
1)鍋に蒸し板を入れ、空焚きしないよう蒸し板のすぐ下まで水を入れます。
2)蒸し板の上に原料となるハーブを入れます。生のローズマリーやドライハーブでもOKです。
3)冷却水をガラス瓶が十分漬かるまで入れます。ガラス瓶が浮かないよう重しをつけます。
4)鍋蓋に口金とシリコンチューブをつけアルミテープで隙間がないように留めます。隙間があると蒸気が漏れてしまうので注意してください。
5)チューブの先をガラス瓶に入れて準備完了、鍋を火にかけます。
6)ガラス瓶に蒸留水が溜まったら完成です。
いかがでしたか?器具を準備してしまえば、作り方は難しくはないし、それほど費用もかからず、自分でもできそうな感じですよね。熱い蒸気が出てくるため、火傷には気をつけてください。動画も参考にどうぞ。
<手作り蒸留器での蒸留方法>
<ヒノキを使ってアロマオイルとフローラルウォーターを蒸留する方法>
<ローズマリーを水蒸気蒸留法で抽出する方法>
3.最後に
今回は、精油の抽出方法と水蒸気蒸留法を使って自分でハーブから精油を抽出する方法をご紹介しました。さまさか家で精油やフローラルウォーターが作れるとは思っていなかったのでびっくりしました。是非自分で作ってみたいです。
さくらが作ってみたいのはローズマリーです。ローズマリーは自宅でも育てやすいですし、野草として道路に生えていることもあるので手に入りやすいですし、料理にも使えます!アロマオイルにすれば、ローズママリーの効果・効能を活用することができますね。
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