漢方を病気を防ぐ目的、もしくは健康を維持する目的で飲んでいる人もいると思いますが、漢方は冷えにもとても効果的なんです。
お腹が冷たい内蔵型冷え症と呼ばれる症状も漢方で改善することができるんですよ。今回は、そんな漢方について
「お腹が冷たい内蔵型冷え症とは?」
「内蔵型冷え症に効く漢方」
「内蔵型冷え症改善方法」
を中心にまとめてみたいと思います。
1.お腹が冷たい内蔵型冷え症とは?
冷え症といっても大きく分けて二つあります。手足のような末端が冷たい末端冷え症と、お腹が冷たい内蔵型冷え症です。
内蔵型冷え症は、手でお腹を触るとひんやりと冷たいので気がつく場合もありますが、全く自覚症状がなく気がつかないケースもあります。そのため、内蔵型冷え症は別名、隠れ冷え症とも呼ばれています。怖いですね。
このブログでも、冷えは百害あって一利なし!冷えは万病の元!と口をすっぱくしてお伝えしていますが、体の冷えは本当に何もいいことがないんです。できることならすぐに改善しましょう。
冷え症の原因に血行の悪さがあります。温かい血液がくまなく全身に行き渡っていれば、体が冷えることはありません。それがなんらかの原因で血行が悪くなると血液が行き届かなくなり冷たくなってしまいます。
血液には酸素と栄養を細胞に運ぶ働きがありますので、その血液が行き届かないとどうなるかわかりますよね。細胞の新陳代謝が遅くなったり、老化が起こります。美容にも悪いです。美肌・美髪を維持するためには細胞に栄養をたっぷりと届けることが大切なので、血行の悪さは致命的です。
いくらサプリメントや食べ物で栄養を摂取しても細胞に届かなければ意味がありません。そういった意味でも、体はポカポカと温かく保ち、体中に血液が行き渡るようにしておく必要があります。
また、冷え症で体温が下がると免疫力と基礎代謝が落ちてしまいます。免疫力は風邪やインフルエンザなどの感染症から身を守ってくれるためにとても必要なものです。病気にかからないようにするためには免疫力を高める必要があります。
基礎代謝が落ちると太りやすい体になります。いくらダイエットをして食事制限しても、基礎代謝が低いとカロリーをエネルギーに変えるのが難しいので、なかなか痩せません。そういった意味でも、体温を上げておくのは大切なことです。
では、そんな嫌な冷え症を治すにはどうすればいいでしょうか?
2.内蔵型冷え症に効く漢方
そこで漢方の出番です!冷え症は病気ではないので、病院では診察してもらえないところが多いです。(最近では冷え症外来がある病院も増えています。冷え症外来について詳しくはこちらを参照 → 病院で冷え症を診てもらえる?!足が冷たい人には冷え症外来・漢方薬がオススメ)
漢方は、病気になる前の未病を治療するという概念があるため、冷え症も未病として改善することができるんです。冷え症のタイプを4つに分けてオススメの漢方をご紹介します。
1)?血(おけつ)タイプ
<特徴>
・中肉中背
・感情の起伏が激しい
・神経質
・疲れやすい
・暑がり
・汗かき
・吹き出物、湿疹ができやすい
・悩みやすい
<おすすめ漢方>
イライラが強い時、心を落ち着けたい時、肩こりには加味逍遙散(かみしょうようさん)、血行をよくしたい時は桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
2)気血(きけつ)タイプ
<特徴>
・全身が冷えている
・風邪を引きやすい
・疲れやすい
・生理不順
・色白で痩せ体型
・元気がない
・息切れしやすい
・汗かき
<おすすめ漢方>
血を補いながら巡りをよくする当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、下半身は冷えて上半身が火照る時、生理不順の時は温経湯(うんけいとう)
3)気滞(きたい)タイプ
<特徴>
・赤ら顔
・せっかち
・几帳面、神経質
・短気
・立ち直りに時間がかかる
・ストレスをためやすい
・げっぷやおならがでやすい
<おすすめ漢方>
冷えとのぼせがある時は桂枝茯苓丸、胃腸が元から弱く冷える時、ストレスで冷える時は柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
4)腎虚(じんきょ)タイプ
<特徴>
・体力がない
・小柄、華奢
・色白で毛髪が細く薄い
・背中が丸い
<おすすめ漢方>
胃腸を温める安中散(あんちゅうさん)や大建中湯(だいけんちゅうとう)を長期服用し、不足しているエネルギーを補いゆっくり体を温める。
「飲むカイロ」とも参茸補血丸(さんじょうほけつがん)も体の働きや昨日を高めるのに効く漢方でオススメです。
次は、「内蔵型冷え症」に効く漢方のご紹介です。
・桂枝茯苓丸
更年期の女性で、内蔵型冷え症もある人におすすめです。顔がのぼせる、手足が汗ばむ、イライラする、などの症状がある内蔵型冷え症に効きます。
・当帰芍薬散
生理不順があり体がだるい人にオススメです。生理不順の治療のため婦人科でよく処方される漢方ですが、内蔵型冷え症にも効果がります。
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯
手足の冷えとお腹・内臓の冷え、どちらもある方にオススメです。特に下痢と便秘を繰り返すような内臓の冷えが十度になっている人はこの漢方を飲んでください。
漢方はドラッグストアや薬局でも手に入りますし、また最近では漢方を取り扱っている病院も増えてきました。病院で処方してもらえば保険適用で漢方が買えますし、自分にあった漢方を正確に選んでもらえますので、漢方を取り扱っている病院があれば診察に行くのをオススメします。
3.内蔵型冷え症改善方法
漢方を服用して、内側から内蔵型冷え症にアプローチしながら、自分でも改善の努力をすることが、内蔵型冷え症改善に効果的です。日頃の生活のちょっとした工夫が大切ですので、是非生活に取り入れてくださいね。
1)体を温める食べ物・飲み物
お腹・内臓を冷やす冷たいもの、甘いものを減らし、温かいものを摂取しましょう。飲み物でオススメなのは、ほうじ茶とココアです。ほうじ茶はノンカフェインなので妊婦さんでも安心ですし、ココアは色々な健康効果もあるんですよ。
ほうじ茶やその他のノンカフェインの体を温めるお茶についてはこちらを参照 → 体を温めるノンカフェインお茶5選!ほうじ茶の冷え性改善効果も!
ココアについてはこちらを参照 → 体を温める飲み物といえばココア!冷え性改善にはココアがオススメ!
2)お風呂
ぬるめのお湯に15~30分つかると体の芯から温まります。お腹も内臓もしっかり温まります。ポイントはぬるめのお湯につかることです。熱いお湯ですと、交感神経が刺激されて体が活動的になってしまうので、夜寝る前に入る時は、特にぬるいお湯でリラックスすることを心がけてください。
お風呂に入れない時、また体の冷えが強い時は足湯も効果的です。足湯はリビングや自分の部屋で、好きなことをしながらできるので便利ですね。足を温めるので手足が冷たい人にもオススメです。
足湯について詳しくはこちらを参照 → 足湯が足が冷たい時に効果的!さらに効果UPさせる方法も紹介!
3)腹式呼吸
腹式呼吸をゆっくりと繰り返すと副交感神経優位になり、リラックスモードになります。ストレスから自律神経が乱れて、お腹・内臓が冷たい場合、冷えを改善することができます。また、腹式呼吸でお腹・内臓を刺激することで、冷たいお腹・内臓を温めることができます。
腹式呼吸をさらに効果的にするのが、「お腹ねじり体操」です。やり方は簡単です。下の写真のように椅子に座って、息を吐いた常態でお腹をねじります。そして腹式呼吸でお腹を膨らませます。すると、空気でお腹が膨らむことによってお腹の血行が阻害されます。息を吸いきったら、息を吐きながら元の姿勢にもどります。元の姿勢に戻った時に、阻害されていた血液が一気に流れます。
ちょうど、ホースを押さえると流れが遮断されて、手を離すと一気に流れ出るのと同じ原理です。
?出展:Woman Online
この体操をやれば、便秘にも効果的ですし、くびれ効果も期待できますよ♪
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4.最後に
今回は漢方を使ってお腹・内臓が冷たい内蔵型冷え症を改善しようというテーマでまとめてみました。漢方は、いわゆるお薬と違って、病気にならないよう体を保つ作用があります。なので、冷え症のような病気ではないけれど体に不調を及ぼす症状にはぴったりです。
うまく漢方の力を借りながら、食事や日々の生活に気をつけてお腹・内臓の冷えを撃退してくださいね!お腹ねじり体操も是非試してみてください。